昔の抵当権
昔の抵当権を消す方法
親が死亡し、相続の相談に来られた場合、登記簿の状況がどうなっているかを確認させていただきます。登記簿を確認させていただくのは、お客様に代わって、登記簿におかしなところはないかを確認させていただくためです。親の不動産について登記簿を見ることはないでしょうから、どうなっているかわからないのが一般的だと思います。そのため、相続のタイミングで登記簿を確認して問題がないのかを確認させていただき、問題があれば、問題があることを認識してもらいたいからです。
ほとんどの不動産に問題があることはありません。しかし、たまに明治時代や大正時代の抵当権が設定されたままになっている不動産があります。そのことを説明するとみなさん大変驚き、どうしたらよいかご心配になります。
この場合は、次のような解決方法があります。
① 抵当権者の相続人が判明する場合
登記簿に記載された住所氏名から相続人を調査して相続人が判明すれば、相続人と話をしてもらい、判子をもらい、抵当権を消すことになります。昔ですから、遠くの人からお金を借りることはなく、近所の人からお金を借りて抵当権を設定し、お金を返してあるが登記を消していなかっただけであることがほとんどです。そのため、近所の人であれば、付き合いがあるので話をすればスムーズに進むことがあります。
② 抵当権者の相続人が判明しない場合
登記簿に記載された住所氏名では、戸籍に該当者もなく、どこの誰かが分からない場合もあります。この場合は、登記簿に記載された借りたお金とその利息等の全額を法務局へ供託し、その供託書を添付すれば、抵当権を消すことが出来ます。借りたお金とその利息等の全額を支払う必要があるとお話をすると、多額なお金が必要になるのではと心配されます。しかし、あくまでも登記簿に記載された借りたお金をもとに計算するので、ベースとなる金額が100円とか多くても1,000円以下の場合がほとんどですから、びっくりするような金額にはなりません。例えば、借りている期間によりますが、これまでのケースですと60円なら2,000円程度、500円なら3,000円程度になりました。この程度の金額なら、供託をしますのですぐに抵当権を消してください、というお客様がほとんどです。